2007年03月05日

明治維新を支えた人々

山口県立山口博物館
「高杉晋作と奇兵隊展−東行生誕150周年記念展」
平元 B5版160頁

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明治維新で活躍した個人に焦点を当てた展覧会、案外少ないように思います。
当店が扱った中で、ざっと思いつくものは・・・
陸奥宗光 勝海舟くらいですか。
最近は、NHKの大河ドラマとのタイアップ企画展で、徳川慶喜と新選組を良く目にします(規模が大きい展覧会ですから部数も多いのでしょう)。
ともに「賊軍」であり、以前なら脚光を浴びる人達ではなかったのですが。
一方で最近の時代劇や時代小説では、西郷隆盛や大久保利通、伊藤博文などは、あまり良く描かれない場合も多くなりました。
そんな中で、絶対「良い役」なのは坂本龍馬と高杉晋作ですね。

もちろん、この「高杉晋作展」は時代劇じゃありませんから、豊富な史料を照会しながら客観的に記述してあります。
特に白石正一郎はじめ奇兵隊を財政的に支えた人々を特に紹介しているのは面白いですね。
明治維新を本当に支えたのが、どんな階層のどんな人々だったのか、ヒントを与えてくれます。

面白いのは慶応元年の長州藩の内戦−「正義派」と「俗論党」の戦いですね−の経過を詳しく追った一章です。
私は、高杉ら「正義派」が洋式兵器で大勝した−という印象を持っていたのですが、戦死者で見ると「正義派」17人に対し「俗論党」22人 だそうです。
これは「辛勝」ですね?
むしろ戦闘で勝ったと言うよりも、時の勢いで勝った−と見るべきですか。
posted by 氷川書房 at 11:59| この図録が面白い!
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