2007年06月01日

海の中世

神奈川県立金沢文庫
「鎌倉への海の道展」
A4版174頁 1992

26434.jpg

鎌倉といえば政治都市のイメージが強いわけですが、実は宋と直結した貿易都市でもあり、中国文化が鎌倉(和賀江島)経由で東国に広まっていった−というあたりを仏像・陶磁・文書を駆使して示してくれる図録です。

船舶が主要な交通・輸送手段であった江戸期までは、現代人から見て意外にも思える地域と地域のつながりがあったりするわけです。
こういう話になれば、やっぱりこれでしょう。

国立歴史民俗博物館
「幻の中世十三湊−海から見た北の中世」
A4版151頁

26616.jpg

いまだ全体像が解明されていないとはいえ、東北・蝦夷・沿海州を含む北方世界の「首府」だった十三湊、そして、「夷千島王」を名乗り、「日の本将軍」の称号を持っていた領主安藤(安東)氏−歴史好きなら一度は関心を寄せたことがあるのではないでしょうか。
十三湊と安藤氏について、出土資料や文書を示しながら紹介した書物は案外少ないのです。
このテーマに関心のあるかたは必携の図録です。
歴博の図録だけに、学説的にも高いレベルを一般向けに要領よくまとめてあるのですが、「もし元寇が成功していたら、博多か十三湊が首都」となっていたろう−という、博物館の図録らしからぬ大胆な(笑)記述もあり、ちょっと驚きます。
でも、「かつては博多と並ぶほどの重要都市だったのか」ということをあらためて思い知らされ、海を介した地域と地域の意外なつながりについて思いをあらたにするわけです。

では十三湊と海路でつながっている「先」はどうだったのか−という疑問に答えるのが、この図録。

北海道開拓記念館
「日本海−空白の中世蝦夷世界をさぐる」
B5版42頁 昭62

26946.jpg

このほかに青森県郷土館「蝦夷錦と北方交易展」というのもありますが、現在当店に現物がありません。



posted by 氷川書房 at 13:12| この図録が面白い!
Powered by さくらのブログ