2007年09月30日

消えた系譜

28428.jpg渋谷区立松濤美術館
「武者絵−江戸の英雄大図鑑」展
2003 A4版143頁



江戸の芸術といえば?
まあ、誰でもパッと思いつくのが「浮世絵」ですよね。
では、「浮世絵の題材といえば」?
「浴衣姿のお姉さん」とか「富士山」とか「歌舞伎役者」とか・・。
現代人には、このぐらいしか思い浮かばないわけですが。

ところが、この図録によると、嘉永六年の浮世絵人気ランキングでは国芳の武者絵のほうが、広重の名所絵よりも上だったそうです。

現代人にはすっかり忘れ去られてしまった「武者絵」の世界を紹介した図録です。
180点におよぶ武者絵を「神代の豪傑」とか「源平の英雄」などジャンル分けして紹介してあります。

最近は五月人形もあまり飾られなくなったし、勇ましいもの・強いものに対する憧れ・関心は消えてしまったのでしょうかね。
それともプロ・スポーツに姿を変えて生きているのかしら・・。

それはともかく、作品の状態も良く、印刷も良く、非常に面白い図録です。

28289.jpgたばこと塩の博物館
「これを判じてごろうじろ−江戸の判じ絵」展
1999 A4版143頁



「判じ絵」とは、例えば、絵が風に飛ばされる情景を描いて「絵とばし=江戸橋」とか、そういうやつですね。
これも、民衆芸術のひとつのジャンルとしては、すっかり忘れ去られてしまった−と言っても良いでしょう。

でも、視覚表現としては消えてしまったが、我々のなかには脈々として生きています。
おやじギャグ というやつです。

江戸の民衆絵画は北斎や広重や国芳ばかりじゃないヨ−という図録をもう一つ。

28376.jpg渋谷区立松濤美術館
「浮世絵師たちの神仏−錦絵と大絵馬に見る江戸の庶民信仰」展
1999 B5版126頁


疱瘡や麻疹よけの「まじない絵」や「鯰絵」「有卦絵」など、あまりまとまって見る機会のないジャンルを集めた展覧会、非常に興味深い一冊です。


posted by 氷川書房 at 17:51| この図録が面白い!
Powered by さくらのブログ