国立歴史民俗博物館
「民衆文化とつくられたヒーローたち−アウトローの幕末維新史」
A4版183頁 2004
「古本屋的に」言えば、歴博の図録はどれも人気が高いのですが、これはその中でも入手が難しい一冊。
「天保水滸伝」とか国定忠治とか清水次郎長とか、さすがに最近は「聞いたこともない」という若い人も増えました。
私ぐらいが、これらの名前に親しんだ最後の世代でしょうか?
博徒や侠客と呼ばれる「幕藩体制の異端児」たちがなぜ生まれたのか。
そして幕末維新の動乱の中で果たした知られざる役割。
そのあたりを丁寧に追っていきます。
清水の次郎長の敵役として知られる「黒駒の勝蔵」が勤王の志士だったって初めて知りました。
維新に先立って倒幕の挙兵を策し、戊辰戦争では官軍に加わって戦います。しかし動乱が収まると突然、博徒時代の殺人の罪を持ち出されて処刑されてしまう。
赤報隊の相楽相三だけでなく、こんな人がいっぱいいたんでしょうね。
彼らは、やがて活動写真の時代に、チャンバラヒーローとして復活しますが、そこでは政治的な毒気はすっかり抜かれていた−というわけ。
いや、この図録は面白い。人気が高いのも肯けます。
2009年09月19日
チャンバラヒーローの隠された過去
posted by 氷川書房 at 10:00| この図録が面白い!
2009年09月12日
郷愁の東京下町
荒川ふるさと文化館
「消えた娯楽の殿堂−君は東京球場を知っているか!?」
A4版36頁 平12
「東京スタジアム」。
典型的な東京の下町・南千住にあったオリオンズの本拠地球場。
昭和37年に完成し、10年余りで取り壊されてしまった。
私は行ったことありませんが、下町がらみの思い出話やエッセイによく登場します。
「ALWAYS三丁目の夕日」における東京タワーのように、ノスタルジーの象徴なのでしょうね。
東京タワーと違い10年余りで消えてしまったゆえに、さらに「セピア色」の記憶の中で特別な存在になっていったのかもしれません。
この東京スタジアムについてまとめた書物は他にあるのでしょうかね?
この図録では、球場の図面・写真・チケットなどの資料とともに、建設地として南千住が選ばれた経緯から、解体までを、紙数が少ないので、綿密にとはいかないが、要領よくまとめています。
類書がないだけに貴重な一冊。
「消えた娯楽の殿堂−君は東京球場を知っているか!?」
A4版36頁 平12
「東京スタジアム」。
典型的な東京の下町・南千住にあったオリオンズの本拠地球場。
昭和37年に完成し、10年余りで取り壊されてしまった。
私は行ったことありませんが、下町がらみの思い出話やエッセイによく登場します。
「ALWAYS三丁目の夕日」における東京タワーのように、ノスタルジーの象徴なのでしょうね。
東京タワーと違い10年余りで消えてしまったゆえに、さらに「セピア色」の記憶の中で特別な存在になっていったのかもしれません。
この東京スタジアムについてまとめた書物は他にあるのでしょうかね?
この図録では、球場の図面・写真・チケットなどの資料とともに、建設地として南千住が選ばれた経緯から、解体までを、紙数が少ないので、綿密にとはいかないが、要領よくまとめています。
類書がないだけに貴重な一冊。
posted by 氷川書房 at 13:24| この図録が面白い!