2009年12月13日

陶磁器の栓抜き

36646.jpg瑞浪陶磁資料館
「戦時下の陶磁器代用品」
B5版47頁 昭60



戦時中、物資が不足して様々な代用品がつくられた−という話はよく聞きます。
一番有名なのはガソリンの替わりの木炭自動車。
「蕎麦でつくった寿司」(?!)というのを写真で見たことありますが、文章ではちょっと説明しづらいですね。

金属が不足しているので、陶磁器なら固いからイイだろ!−という安直な発想でつくった品々を集めた展覧会。
「だからどうした」と言われればそれまでですが、でも面白いです。

・硬貨−これはよくわかります。
・アイロン、ストーブ、ガスコンロ−この辺もなんとなくわかる。
・ナイフ、フォーク−ちょっと使いにくいのでは。
・ペン、ペーパーナイフ−これは役に立つのだろうか。
・栓抜き−別に問題はないだろうけど、ヘンな感じ。
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2009年12月06日

寺子屋のこと

36169.jpg八潮市立資料館
「寺子屋−地域の情報センター」
B5版55頁 平7



時代劇ではおなじみだけれども、実際のところはよくわからない−というもの、結構あります。
私など、その筆頭に寺子屋をあげたい。
時代劇では貧乏浪人が、行儀の悪い悪童たちに習字をさせている−という場面が「お約束」ですが、ホントにそうなのでしょうか?

寺子屋をテーマとした展覧会ってありそうでなかなかありません。
埼玉県八潮市には、名主が開いた寺子屋「尚古堂」の資料がよく残っており、その資料を中心とした大変興味深い企画展です。

寺子屋の師匠ってどんな人?
江戸時代を前期・中期・後期・末期にわけ、埼玉県内の寺子屋師匠の出身階層を示した表が掲載されています。
これを見ると、やはり僧侶が圧倒的に多いことがわかります。
寺子屋の名は伊達ではないのだ。
貧乏浪人は案外少ない。もっともこれは江戸に行けばまた違うかもしれないですね。
また、江戸時代末期になると女性の師匠も結構いる。
これはきっと「女子校」があった−ということでしょう。

寺子屋で何を習う?
一番最初は数字→いろは→東海道の宿駅名→人名によく使われる漢字→干支の漢字と過程が進み、やがて日本史ファンならおなじみの「乍恐以書付奉願上候」(恐れながら書き付けをもって・・・)といった「定型文」の数々を頭に叩き込んでゆくのです。
これはなかなかもって実用的。

とまあ、こんな面白い話題満載の図録です。
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