名古屋市博物館
「木炭バスの走ったころ−代用品に見る戦中・戦後」
A4版80頁 2000
2009/12/13の記事で同種の展覧会図録を取り上げましたね。
あちらは陶磁器製品に限ったはなしでしたが、こちらはもっと広範囲。
木炭自動車はいまでも走行可能な車体が残ってるんですね。
(もちろんオーバーホールされて、新しい部品も入っているようですけれど)
そのほかでは、「スフ」ことステープルファイバー。
代用品といえば、やはり陶磁器が中心となりますが、その点では先日紹介した図録と大きな違いはありません。
その中で目を惹くのは陶磁器製の「ハイヒールの底」。
歩きにくそうですよね。
当時ハイヒールなんて冷たい視線を浴びただろうに、そうまでして履く必要のある人ってどんな人なんでしょうか。
あと、巻末に、いささか唐突に「聞き書き篇」として
「空襲で被災した農家の戦後」と「復員した「チンピラ」の戦後」という二人の庶民の戦争体験が載っています。
「チンピラ」って・・・
でも、これがちょっと面白い。
なんだか映画「兵隊やくざ」とか「独立愚連隊」の世界です。
2010年08月13日
ええじゃないかってなに?
名古屋市博物館
「ええじゃないかの不思議−信仰と娯楽のあいだ」
A4版112頁 2006
「ええじゃないか」ってホント不思議ですよね。
たかだか150年前の出来事で、あれだけ大きな事件で、記録もいっぱい残っているのに、結局なんだかわからない。
「ええじゃないか」がはじまったのは三河で、伊勢神宮との関連もあることゆえ、名古屋近辺とは因縁の深い事件です。
この図録では「馬の塔」「梵天」「お鍬まつり」という、尾張・三河の祭礼行事−仮装や作り物も登場する・周期性がある−との関係性も探っています。
でも、結局「ええじゃないか」がどういう経緯でおこり、何のためだったのか−はわからない。
それでも視覚史料が豊富に収録されているので、仮装・作り物など沸き返る雰囲気を感ずることができ、その意味でとても面白い図録です。
なお、「ええじゃないか」関連の展覧会図録としてはほかに
「世の中変わればええじゃないか−幕末の民衆」(兵庫県立歴史博物館 平9)
「おかげまいりとええじゃないか」(豊橋市立美術博物館 2003)
があります。
「ええじゃないかの不思議−信仰と娯楽のあいだ」
A4版112頁 2006
「ええじゃないか」ってホント不思議ですよね。
たかだか150年前の出来事で、あれだけ大きな事件で、記録もいっぱい残っているのに、結局なんだかわからない。
「ええじゃないか」がはじまったのは三河で、伊勢神宮との関連もあることゆえ、名古屋近辺とは因縁の深い事件です。
この図録では「馬の塔」「梵天」「お鍬まつり」という、尾張・三河の祭礼行事−仮装や作り物も登場する・周期性がある−との関係性も探っています。
でも、結局「ええじゃないか」がどういう経緯でおこり、何のためだったのか−はわからない。
それでも視覚史料が豊富に収録されているので、仮装・作り物など沸き返る雰囲気を感ずることができ、その意味でとても面白い図録です。
なお、「ええじゃないか」関連の展覧会図録としてはほかに
「世の中変わればええじゃないか−幕末の民衆」(兵庫県立歴史博物館 平9)
「おかげまいりとええじゃないか」(豊橋市立美術博物館 2003)
があります。
posted by 氷川書房 at 14:39| この図録が面白い!