2011年01月25日

がんばれ鎌倉御家人!

393260.jpg横浜市歴史博物館
「鎌倉御家人 平子氏の西遷・北遷」
A4版262頁 2003



むかしの出来事を「いまに例えるなら・・・」って、よくやりますよね。

例えば江戸時代、将軍家の家来(「直参」とか「幕臣」とか)と御三家・親藩の家来との関係って、なんか微妙ですよね。とくに幕末、水戸・尾張・越前家なんかは、反幕的な行動を取りますが、これなんか「子会社に移籍を命じられた社員が、本社に残って威張っている社員に対して抱く反感みたいなもの?」なんて、現代に置き換えて勝手な妄想をふくらませてみたり。

はなし変わって。
戦国武将には、もともと鎌倉時代に関東から移住してきたっていう来歴を持つ家が多いですよね。毛利家しかり。大内家しかり。長尾家しかり。
簡単に「移住」って言うけれど、地方が違えば言葉もなかなか通じない時代、移住先は決して友好的ではなかったろうし、大変なことだったろうな−と思うわけです。実際のところ、どんな様子だったのだろう?
そこで「いまに例えるなら」ですよ。
「新しく買収した海外の子会社に、社長として、数人の側近とともに乗り込む!」って感じなのでしょうか?
そのへんのことを、一般向けに、情景が目に浮かぶような形で紹介してくれる本って案外ないんですよね。
この図録は、相模国の御家人・平子氏が、周防国と越後国のとある荘園の地頭として乗り込み、その後、どいういう運命をたどったのか−を豊富な資料を紹介しながら、具体的に見せてくれます。262頁、ボリュームもたっぷりです。
「現地法人社長奮闘記」ってところでしょうか。
posted by 氷川書房 at 09:45| この図録が面白い!
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