
「安倍晴明の虚像と実像展−語られた歴史・由緒と被差別民」
A4版82頁 2003
これまた面白そうなテーマです。
中世から現代にいたるまで「不思議な力」の象徴として扱われてきた安倍晴明。
いったいなぜ安倍晴明が伝説化されていったのか−を探っていく展覧会です。
答えを言ってしまうと、晴明像をつくりあげていったのは、民間の陰陽師たち。
「宮廷に遣えて様ざまな儀礼や儀式に関与したり暦をつくったりする陰陽師以外にも、民間で庶民の求めに応じて吉凶占いや祓いなどを生業とする陰陽師がいた」とのこと。
不思議な力を持つ人たちは、怖れの対象でもあり、差別の標的でもあった−という人間性の本質に関わるテーマがここにも出てまいります。