2008年03月08日

ホントの一揆

27776.JPG国立歴史民俗博物館
「地鳴り 山鳴り−民衆のたたかい三〇〇年展」
A4版127頁 平12



歴史好きの方なら「夢の浮橋騒動」、ご存知だと思います。
いわゆる三方領地替え、庄内藩・川越藩・長岡藩にお国替えの内示が出る。それを知った、主に庄内藩の農民が転封反対の大一揆を起こし、ついに国替えは沙汰止みとなる一大事件。
江戸幕府の崩壊はここから始まったとみる向きもあります。
そして、一揆関係者が事件の顛末を記録した絵巻「夢の浮橋」、これがこの展覧会のメインです。

この絵巻を見ると、農民一揆といっても、飢えた貧農が筵旗押し立てて・・・という時代劇でおなじみの一揆のイメージが変わってしまいます。
絵巻の多くの場面は、密談また密談。羽織を着た決して貧しそうには見えない中年男たちが座敷で額を寄せ合ってなにやらヒソヒソと話しているのです。
これは一揆というよりも、「料亭政治」とか「ロビー活動」なんて言葉がちょうどしっくりくる感じ。
江戸も末期になると「一揆」はある種のデモンストレーション、政治の一形式のようになってくるのかもしれません。
題名からはちょっとわからないが、中身はとっても面白い図録です。
posted by 氷川書房 at 10:00| この図録が面白い!
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