大阪人権博物館
「髪の身分史」
A4版90頁 1999
題名からして面白そうでしょう?
大坂人権博物館の図録は、どれもテーマは面白いのですが、内容がいささか専門的で難しいのがチョットね・・・
いや、生意気なことを申しました。
とはいえ、面白いエピソードが目白押しです。
たとえば
外出中に烏帽子を忘れたことに気付き、顔面蒼白で家に駆け戻る中世武士。
髪を露出することがそれほどまでに恥ずかしかったのですね。
また、江戸時代には月代を剃らない頭は、囚人や被差別民を連想させる負のイメージであったこと。
たしかに謹慎の罰を受けた武士は月代を伸ばし放題にしています。
また、時代劇に出てくる落ちぶれ浪人も月代が伸びているのがお決まりのスタイルです。
でも、幕末には月代を剃らない髪形が多いですよね。
坂本龍馬の写真、近藤勇の写真−みな総髪(というのかな?)です。
時代とともに、月代は「旧弊」のイメージに変わっていったのか?
あるいは外国人の手前、「恥ずかしい」という感情が生じてきたのか?
とにかく面白いテーマですよ!