2007年01月26日

箪笥の誕生

家具の歴史館
「日本の箪笥展」
昭48 24X25cm 72頁

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大名道具など一流工芸品としての箪笥は別として、日常生活に使われた箪笥の展覧会は思ったほど多くありません。
上記は数少ない日用箪笥をテーマとした展覧会の図録。
このテーマの展覧会図録としては比較的ポピュラー(といっても2-3年に1回ぐらいしかお目にかかれません)。
これ以外に、当店が扱ったことのあるのは、福井県の「三国箪笥展」ぐらいです。
この図録によると、箪笥の原型は「厨子」なのだそうです。
言われてみれば、その通りなのですが、「厨子」というと「正倉院」なんて言葉を思い浮かべてしまい、ウチにある箪笥も、なにやら由緒ありげに見えてしまいます。
少し意外だったのは、元禄頃までは、収納具といえば「長持」で、箪笥が普及するのは江戸時代中期以降という記述。
江戸時代の最初の百年は、日本人の生活文化に革命的な変化をもたらした−とはよく言われることですが、箪笥でも、それは「真」であったわけです。
posted by 氷川書房 at 17:22| この図録が面白い!
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