東京都美術館・愛知県美術館・兵庫県立近代美術館
「1920年代日本展」
1988 28x23cm 333頁
これは私も見に行きました。もう20年近く経つのですね。
一つの時代を、これほど包括的に捉えた企画は、この翌年のセゾン美術館「ウィーン世紀末展」ぐらいで、他には今日にいたるまで例を知りません。
1920年代という「好材料」を絵画・音楽・建築・都市計画・写真・ジャーナリズム・広告デザイン・演劇などの切り口から見せた、本当に「面白い」展覧会でした。
なお、私、おそらくはこの展覧会のモデルとなった「ウィーン世紀末芸術−夢と現実展」(Traum und Wirklichkeit. Wien 1870-1930)を1985年にウィーンで見ております。
ウィーン世紀末を絵画や建築、デザインなど重層的な切り口で見せる大規模な展覧会で、今も忘れられません。(以上、自慢)
上記の図録にも出てきますが、1920-30年代といえば、この人。
目黒区美術館
「山名文夫展」
1998 B5版223頁
この人は戦後も活躍しているわけですが、どうしても「1920-30年代」のイメージですね。
その点で、もっと極端なのが
東京都庭園美術館
「カッサンドル展−ポスター英雄時代の巨匠」
1991 28X23cm 138頁
アール・デコ時代を象徴する鉄道や船のポスターは、あまりにも有名ですが、戦後は不遇で、生活にも窮し、自殺を遂げたとか。
亀倉雄策氏の解説も印象的です。
昨年は藤田嗣治の大回顧展が開かれ、盛況だったそうです。
藤田やカッサンドルは、1920-30年代のパリという「時代と場所」を体現したのかもしれません。
その意味では、この人も見落とせません。
目黒区美術館
「高野二三男展−アール・デコのパリ、モダン東京」
1997 A4版145頁
藤田とともに、日本人では数少ない「パリでめしの喰える画家」(薩摩治郎八)の一人。
この人の作品、藤田と似ていると思うのは私だけでしょうか。
まぁ、藤田とは友達だったわけですが。
藤田と似ているというより、二人とも時代の雰囲気・嗜好をグッと掴んだ−と考えた方が良さそうです。
20-30年代ネタをもう一つ。長くなりますので、余計な註釈はここまで。
東京都庭園美術館
「ポスター芸術の革命 ロシア・アヴァンギャルド展−ステンベルク兄弟を中心に」
2001 A4版189頁