紹介したい図録はたくさんあるのですが、時間がなくてなかなか思うように掲載できません。
そういえば、日本経済新聞の書評欄の「半歩遅れの読書術」というコラムで、樺山絋一氏がこんな趣旨のことを書いておられました。
展覧会の図録は資料的にも価値の高いものが多いが、正式な書籍の扱いでないため、新刊書店は言うに及ばず古書店でもなかなか手に入らないのが惜しい−と。
氷川書房に来れば1300冊の図録が見られるのにね。
東海大学校地内遺跡調査団
「撚りと結びの考古学」
A4版13頁 2003
東海大学構内の遺跡出土品を中心に同大学文学部展示室で定期的に開かれている展覧会の図録です。
縄文時代の「縄文」についてはあえて説明の必要はないでしょう。
その「縄文」にもいろいろな種類があるのだろうな−ということは想像がつくのですが、これはそれらを体系的に、実例を見せながら紹介した、面白い図録です。
私、初めて知ったのですが、縄の撚り方にも種類があるのだそうです。
撚る指の位置でも違うし、右利きか左利きか−でも違ってくる。
ということは、子細に分析すると、縄文土器を作った(文様をつけた)人の利き手がわかる−ということだろうか?
わずか13ページですが、とっても興味深い図録です。